ダイエットの敵?!炭水化物と上手に付き合うための基礎知識

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ダイエットでは敵視されがちな炭水化物。ですが私達の生活のなかで一番身近な存在でもありますね。

軽食になるとパンやおにぎりなど炭水化物だけで済ましたり、ランチではパスタやラーメン・うどんなど。意識しないと摂りすぎてしまうのも炭水化物。

今回はそんな炭水化物に着目して上手な摂り方を考えてみましょう!

 

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炭水化物ってなに?

炭水化物といえば、ごはんやパンなどですね。ですが、フルーツやヨーグルト、肉類などにも炭水化物は少量ながらも含まれています。この炭水化物と言われるものは一体何なのでしょうか?

人間を構成する元素を以前の記事でお話ししましたが、炭水化物を元素まで分解すると炭素(C)と水素(H)と酸素(O)になります。

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「炭水化物」という名前は炭素(C)と水(H2O)によってできた化合物という意味でもあるのです。

さらに元素から分子にまでもっていくと、糖質と食物繊維になります。炭水化物は糖質と食物繊維をまとめた言い方なんですね。

人の消化酵素で消化できるものを糖質、消化できないものを食物繊維と呼びます。合わせて炭水化物というわけです。

糖質は体のエネルギー源として吸収され、食物繊維は吸収されず排出されます。今回は吸収される糖質について詳しく見ていきましょう!

糖質の種類

糖質は大きく分けて単糖類・二糖類・多糖類があります。前回のタンパク質と同じでこれ以上分解できないもの、それが沢山結合したものとで呼び方が変わるのです。

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これ以上分解できないものが単糖類。単糖類が2個結合したものを二糖類。単糖類がそれ以上結合したものを多糖類と言います。

糖質は体内の消化酵素によって単糖類にまで分解されてから吸収されます。

単糖類を直接摂取するとすぐに吸収されるので血糖値が一気に上がりますが、多糖類は消化に時間がかかるので血糖値が比較的穏やかにあがります。

玄米などは食物繊維も豊富で単糖にまで消化されるまで時間がさらにかかります。さらに血糖値の急上昇を防ぐことが出来るというわけです。

それぞれの糖質の特徴を見ていきます!

単糖類

単糖類にはグルコース・フルクトース・ガラクトース・ペントースがあります。

グルコースはブドウ糖ともいい、単糖類のなかで最も重要なエネルギー源として使われます。(脳で使われるエネルギーはこのグルコースだけとなります。)ほぼ全ての糖質に含まれていて、エネルギーとして使われなかったものは肝臓や筋肉・脂肪組織で貯蔵され必要な時にまたグルコースに分解されてエネルギー源として使われます。

フルクトースは果糖であり砂糖の構成成分でもあります。肝臓でグルコースになり各器官へ運ばれます。

ガラクトースは天然で存在はせず、乳糖に含まれる構成成分。ガラクトースも肝臓でグルコースになり各器官へ運ばれます。

ペントースは聞きなれませんが、体内でグルコースからペントースリン酸回路で作られるものです。つまりは体内で使われるものです。

二糖類

次に二糖類にいきましょう。

二糖類にはマルトース・スクロース・ラクトースがあります。漢字で表すと麦芽糖・ショ糖・乳糖。こっちの方が聞き覚えある方も多いのではないでしょうか。

これら二糖類は分解され最終的には単糖になって体内へ吸収されます。

マルトース(麦芽糖)は麦芽や甘酒に多く含まれます。ご飯を口の中で噛んだ時に口腔内の消化酵素アミラーゼによって作られるものです。

スクロース(ショ糖)は砂糖の成分でもあり、さとうきびやてんさいなどから作られます。私たちがとても多く消費している糖質になります。

ラクトース(乳糖)はグルコースとガラクトースから作られる糖質です。母乳や牛乳などに含まれます。

多糖類

最後に多糖類です。多糖類にはでんぷんとグリコーゲンがあります。

でんぷんは私たちのエネルギー源としてメインとなり消費されている糖質です。ごはんやパン、麺類、芋類などでんぷんが多く含まれるものは炭水化物の代表的な食べ物となっています。

それもそのはず、このでんぷんには沢山のグルコースが結合されているのです。

でんぷんには構造によってアミロースとアミロペクチンに分けられますが、アミロースにはグルコースが2505000結合され、アミロペクチンにはグルコースがなんと10000個〜100000結合されています。

とても大きなエネルギー源だということが分かりますね。

ちなみに、このアミロースやアミロペクチンがどのくらい含まれているか?によってでんぷんの食感が違ってきます。ご飯はアミロース30%アミロペクチン70%でもち米はアミロペクチン100%です。

グリコーゲンは体の中でグルコースを貯蔵する時に作られる多糖類です。グリコーゲンはグルコースを約30000個結合されて作られています。肝臓や筋肉に存在して必要な時にグルコースに分解されて使われます。

 

血糖値とインスリン(運搬と回収)

このようにグルコースは主役のエネルギー源で最終的には全て肝臓でグルコースに変換されて各細胞で使われます。

肝臓でグルコースになった糖質は血液中に流されて身体中の細胞へ届けられエネルギー源となります。血液中に流れて血液中のグルコース濃度があがることを血糖値上昇と言います。

食後の血管はグルコース渋滞になるということですね。

血糖値があがるということは、グルコースがたくさん血管を通って各所へ届けられているということ。運搬されているのです。

さて、たくさん運搬されているグルコース。回収するのはインスリンの役割です。

血液中にグルコースが流れると膵臓ランゲルハンス島β細胞からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血中のグルコースをインスリン受容体に結合させ肝臓・脂肪・筋肉に吸収させます。

インスリンにより血液中のグルコースが回収されるので血糖値は下がり通常の血糖値に戻ります。

血糖値が下がってくるということはインスリンが正常に働き、それぞれの細胞にグルコースが届けられたということなのです。

「血糖値が上がる」ことはエネルギーを届けるための大切な現象です。

決して悪いことではないのでグルコースの運搬に感謝しましょう!

ですが、大量に摂取して一気に吸収されてしまうと必要以上に運搬されてしまう事態に。。!使いきれなかった分が脂肪細胞倉庫へ保管されてしまうのです。(次の章へ)

 

糖尿病とは??

ちなみに糖尿病はこのインスリンがうまく働かず、ずっと血液内にグルコースが流れている状態です。

血中のグルコース濃度が上がりドロドロになる他、細胞にもグルコースが取り込まれないのでエネルギーが足りない状態になります。

脂肪を分解してエネルギーとするため、糖尿病患者は痩せてくるというわけです。

 

血糖値コントロールホルモン

グルコースを回収して血糖値を下げるホルモンはインスリンですが、逆にグルコースを血管に投入し血糖値を上げるホルモンもあります。

しかも!なんと血糖値を上げるホルモンは5種類もあるんです。こんなに血糖値の急上昇は良くないって言われているのに!

血糖値を下げるホルモンはインスリン1つだけ。なのになぜ血糖値を上げるホルモンがこんなにあるのでしょう?

それは生きるためです。血糖値が上がるということはエネルギーが各細胞に届けられるということ。グルコースがなくなっては生きていけません。

生きていく上で必要不可欠なグルコースを必要な時にいつでもどこでも供給できるように機能しているのです。

血糖値を上げるホルモンはグルカゴン・アドレナリン・成長ホルモン・チロキシン(甲状腺ホルモン)・糖質コルチコイドの5種類。

すべて肝臓のグリコーゲンを分解してグルコースを作り血中に流す働きがあります。

グルカゴンは血糖値コントロール、アドレナリンは交感神経を興奮させ、成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促進させます。チロキシンは腸での糖吸収や代謝を促進、糖質コルチコイドはアミノ酸を産生します。このような目的でグルコースが必要となり血糖値を上昇させるように働くのです。

 

糖質の代謝(使い道)

血液を通って各組織へ届けられたグルコースは細胞のエネルギーとして使われます。

また、筋肉や肝臓には何かの時にすぐ取り出せる貯蔵庫がありグリコーゲンというグルコースの塊に変換されて保管されます。ここは常に出し入れされている貯蔵庫で、空腹の時など血糖値を上げたいときに保管されているグリコーゲンをグルコースに分解して使ったりします。

グルコースをエネルギーとして使い、肝臓や筋肉の貯蔵庫にも蓄え満タン!もう必要ないよって時にまだグルコースが余っていたらどうなるでしょう。

捨てる?いえいえ、そんな勿体ないことをするわけありません。大切な大切なエネルギー源ですから。もっともっと大きな貯蔵庫へ保管するのです。それが脂肪細胞

余ったグルコースは中性脂肪となり脂肪細胞へ大切に保管されるのです。

血糖値の話と同じく、グルコースは大昔から体にとってなくてはならない大切なエネルギー源です。

「グルコースを保管すること」「グルコースを作ること」に関してはとても万全の体制。強く生き延びるために備わった素晴らしい機能なのです。

しかし悲しきや現代は飽食の時代。その機能はマイナス面へも働くようになってしまいました。脂肪細胞への貯蔵が増えすぎ、あらゆる器官の機能を鈍らせるのです。

残念ながら今の人間には余りすぎた時の対処機能は備わっていません。足りない時にはどんどんグルコースは作られますが、余ったグルコースはエネルギーとして代謝するしかないのです。

肝臓や筋肉へのグルコースの貯蔵は半日絶食したらなくなる程度の量しかできません。それ以上余ったら大きな大きな脂肪細胞という貯蔵庫へ運ばれてしまいます。

糖質・炭水化物は悪者ではありません。必要以上に余らせないこと。が上手に付き合っていくポイントだということを頭に入れておきましょう。

まとめ

炭水化物は本来はとーーーっても大切にされている大事なエネルギー源なんですね。それを自ら敵にしてしまったり、自分の体を壊してしまっては本末転倒。

敵視せず上手に付き合っていきましょう。

万が一足りなくなった時でも筋肉や脂肪細胞を分解してグルコースを作るのである程度は問題なく生活できますが、脂肪細胞だけじゃなく筋肉まで分解しちゃうので足りない状態が続くのは注意です。

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大切に保管されていたエネルギー(脂肪)は「ありがとう」という気持ちで溜め込まれすぎたものは大切にコツコツと使ってあげましょうね。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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セラピストKaori

関東で女性専用ボディメイクメソッドを教えるインストラクター。
整体師・カイロプラクター・パーソナルジムトレーナー・ヘッド&フットセラピストなど幅広い分野で活動し日々体と向き合う。
専門知識を踏まえた真の「きれいな身体」について考えるボディメイク整体師。

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