肩の痛みで代表的なものといえば四十肩・五十肩。40歳を超えて肩に痛みを感じると「とうとう四十肩かな?」と思いますよね。特に思い当たるふしがないのに突如痛み始めてしまうのが肩。
思い当たる原因がないのに突如痛み始めてしまったなんて時にも実は原因があり、肩関節へのストレスが蓄積された結果となります。その原因は主に『肩回旋筋群のバランスの崩れ』
今回は四十肩・五十肩の原因にもなる肩回旋筋群についてお話ししていきます!
肩回旋筋群(ローテーターカフ)の役割
肩回旋筋群は別名ローテーターカフとも呼ばれています。上腕骨の骨頭を囲むように筋肉が付いていて、腕が肩から外れないように押さえ込んでいる『肩関節を安定させるための筋肉』なのです。
肩関節というのは股関節のように靭帯でがっちり守られ安定している関節とは違い、筋肉の役割が大きい関節です。安定性は低くなりますが、その分可動域が広くなりあらゆる方向に動かせるメリットもあります。
だからこそ肩回旋筋群の役割はとっても重要!互いに協力しあって肩関節の大きな動きで肩関節がズレないよう安定させなければならないのですから。
肩回旋筋群(ローテーターカフ)は4つの筋肉で構成されています。
肩を外転させる『棘上筋』、肩を外旋させる『棘下筋』、肩を外旋させる『小円筋』、肩を内旋させる『肩甲下筋』です。この4つの筋肉たちが上腕骨を鷲掴みするように付いていて関節面に押さえ付けています。
肩関節に痛みが起こるのは、これらの筋肉のバランスが崩れることで関節面へかかる軸がブレてしまうことが原因です。軸がズレることで関節間組織や腱へストレスがかかり続けます。このストレスの蓄積と歳を重ね組織の代謝が低下することで40代以降に肩に痛みを訴える人が増えてくるのです。
肩回旋筋群(ローテーターカフ)が崩れる原因
肩回旋筋群(ローテーターカフ)は上腕骨を関節面へ押さえ込む半ば靭帯のサポートような役割もありますが、他の筋肉のように肩関節を動かす働きもあります。
肩を外転するときには三角筋中部と棘上筋(ローテーターカフ)が働き、肩を外旋させる時には三角筋後部と棘下筋(ローテーターカフ)・小円筋(ローテーターカフ)、肩を内旋させる時には大胸筋・広背筋・大円筋・三角筋前面と肩甲下筋(ローテーターカフ)が働きます。
肩の動きの時にはそれぞれこの筋肉が働くので、使い方のバランスが悪いと筋肉のバランスが崩れてきます。おなじ動作を繰り返す職業やスポーツ選手、長時間肩をおなじ位置でキープしている長距離ドライバーやデスクワークの方などは肩回旋筋群のバランスが崩れてしまいがちです。
バランスが崩れると上腕骨頭を肩甲骨の関節面に押し付ける軸がブレてしまい、腕を上げる時に筋腱を挟み込んでしまうインピンジメントが起きたり関節面にストレスがかかり次第に痛みが出てきてしまうのです。
肩回旋筋群のバランスを整えるには筋力低下または固定されている筋肉を動かしていくこと。肩回旋筋群の中でそれに当たるのは棘下筋や小円筋です。
肩の内旋は肩甲下筋だけでなく、その周辺にある大胸筋や広背筋など大きな筋肉が働いていますが、外旋では棘下筋と小円筋など小さな筋肉のみです。ですのでどうしても肩の内旋ばかりが強くなりがち。外旋筋は内旋方向へ引っ張られてしまいます。この外旋内旋のバランスを整えることがとても重要なのです。
肩回旋筋群(ローテーターカフ)のバランスを調整しよう!
バランスを良くするポイントは何と言っても外旋筋を動かしていくことになります。内旋方向に引っ張られているということは、伸張固定されているという状態。使われることがあまり無いので筋力も弱いうえに固まってしまっています。
肩の外旋内旋体操
この体操は、弱くなってしまう肩外旋筋のトレーニングにも強くなりがちな肩内旋筋のストレッチにもなります。外旋内旋のバランスを整えるために効果的です!
- 肘を90度に曲げて脇に付けます
- 膝を体から離さないように横に広げます
- この動作を10〜20回繰り返しましょう!
※腕を動かすというより肩を動かすイメージで!
道具を使わないのでどこでも出来、続けられそうですね^ ^
肩の外旋内旋ストレッチ
これは肩周りの外旋内旋両方の筋肉のストレッチです。固定され続けた筋肉は硬くなっています。この筋肉が硬くなると肩の動きも肩甲骨の動きも硬くなってしまいますし、炎症が起こりやすい状態です。しっかりストレッチをしていきましょう!
- 手のひらを内側に向けて伸ばし、そのまま腕をクロスします。
- そこから肘を曲げて更にクロスし手のひらと手のひらを合わせます
- 腕を上下左右に動かしましょう
- 腕の交差を交代してもう一度行います
※硬くなっている人はこの体勢を取ることも難しいと思います。無理のない程度に頑張りましょう!
肩の外転筋ストレッチ
腕を上げる動作をする時に働く肩外転筋の棘上筋ですが、ここはとても酷使しやすい筋肉です。重い荷物を持つなんて時にはここが働いています。
肩関節の外旋内旋のバランスが崩れた場合にインピンジメントを起こしてしまう筋肉は主にこの棘上筋なのです。
- 右手首を後ろ側でつかみ、頭を左側へ倒しながら手首を左下へひっぱります
- リラックスして息を吐きながら10〜20秒ストレッチします
- いったん緩めて再度ストレッチをするを2〜3回繰り返したら左右交代します
※肩甲骨の上が伸ばされている感じをイメージしながら行いましょうね!
まとめ
肩回旋筋群(ローテーターカフ)のバランスは肩の痛みがでてくる前に日頃から整えていくと、今後の四十肩・五十肩予防にもなります。
猫背・肩こりなどがある人は特に注意して体操やストレッチをしていきましょうね!
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