太りにくい体を作るための筋トレ(無酸素運動)、脂肪を落とす有酸素運動。健康的でリバウンドのない効率の良いダイエットには無酸素運動と有酸素運動の組み合わせに加えて食事のコントロールが良いとされています。
そんなダイエッターさんに朗報。ここ数年の間に分かった新しい筋トレの効果があります。筋トレも脂肪を燃焼する効果があるということ。詳しくみていきましょう!
従来の筋トレ効果
筋トレというのは、骨格筋に過負荷をかけること。骨格筋が動くことでエネルギーが代謝しやすい体質に導きます。
筋肉というのは私たちの体の中でとても大きな存在。体重の約70%を占めています。割合としては骨格筋が40%、心筋(心臓)・平滑筋(内臓)が30%です。体重が50kgだったら骨格筋だけで20kgとかなりの割合を占めています。
心筋と平滑筋は不随意筋といって意思とは関係なく動く筋肉ですが、骨格筋は随意筋といって意思により動かすことができます。
筋肉をつけて代謝をあげよう!という言葉をよく聞きますが、これは動かすことによって使われるエネルギーだけでなく筋肉を動かし発達させることによっても不動時のエネルギー代謝(基礎代謝)が増えるからです。
まず動かす事によるエネルギー代謝ですと、筋トレ時のエネルギー代謝はそれほど多くはありません。ですが、アフターバーンエフェクトといい、トレーニングの後はエネルギー代謝の多い状態が約2日間続きます。
アフターバーンエフェクトで消費するカロリーは筋トレそのものの消費カロリーの約19倍。総合するとかなり高くなってくるのです。
そして骨格筋は体を動かさなくても体温維持のために代謝され熱を発します。これを「基礎代謝」といい、肝臓や脳にも並ぶ大きな比率で22%を占めています。
例えば基礎代謝が1200kcalの人の場合、筋肉を動かさなくても264kcalも筋肉でエネルギーが使われるのです。
この基礎代謝は筋肉が1kcal増えることで約13kcal/日増え、さらに筋肉が増えることで沢山の血液が必要になるので心臓も大きくなりエネルギー代謝が高まります。それらを含めるとおおよそ50kcal/日増えるとされています。
※詳しくはこちらも併せてご覧ください!
筋トレで脂肪が燃焼する事実
筋トレはこのようにトレーニングでのエネルギー代謝とトレーニングにより筋肉量が増加することで基礎代謝が増加する効果が一般的に言われています。要は脂肪が蓄積されにくい体づくりですね。
ですが、ここ数年の間に筋トレはエネルギーの代謝だけでなく脂肪の燃焼にも働くことが分かってきました。
筋肉は体を動かしたり体温維持するだけでなく、内分泌器官としても働いているのです。筋肉が分泌するホルモンのような働きをする生理活性物質をマイオカインといい、その1つにイリシンという物質があります。
このイリシンは筋肉を刺激することで分泌され、①脂肪燃焼や②脳の活性に働きます。
まず①脂肪燃焼としては脂肪の貯蔵庫である白色脂肪細胞を熱を発生し脂肪を燃焼させる誘導性褐色脂肪細胞(ベージュ細胞)へと変える働きがあります。貯蔵型の脂肪から燃焼型の脂肪へ変えるのです。増えた脂肪細胞の数は変えられませんが、白色脂肪細胞を誘導性褐色脂肪細胞に変えることで自ら燃焼し減らしていくことが可能になるのです。
そして②脳活性としては短期記憶中枢である海馬の神経を発達させる働きがあります。筋トレをすることで記憶力があがり学力アップへの効果があります。勉強の合間に軽く体を動かすとリフレッシュになるほか、記憶力がアップし効率の良い学習ができるのです。加齢による記憶力の低下や認知症の予防への効果も同様にありますので、体型維持だけじゃなく筋トレは大切なのです。
※誘導性褐色脂肪細胞を活性させるコツはこちらを参考にしてくださいね。
筋トレのダイエット効果まとめ
以上、筋トレのダイエット効果をまとめます。
- エネルギー消費大→脂肪の貯蓄防止
- 基礎代謝アップ→脂肪の蓄積防止
- 脂肪を褐色へ→脂肪燃焼
ダイエットには筋トレが欠かせないメニューということが分かりますね。なんといっても貯蓄するだけの白色脂肪細胞から燃焼する働きのある褐色脂肪細胞に変えてくれるのは大きなメリットだと思います!
食事を減らすだけのダイエットは貯蓄しやすい体になってしまいます。しっかり筋肉を動かし燃焼する体に変化させていきましょう。
〈今回参考にさせていただいた資料〉
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