普通に生活をしているとあまり意識することはないかもしれません。でもたまにふと、自分たち人間のことが不思議に思いませんか?
1番近くにあるのに未知の世界。
今回は人間を作っている物質は何か?というところをお話しします!
人間を構成する原子
原子とは物質を表す最小単位です。地球上に存在するものを最小単位まで分解するとすべて原子になります。
この原子は約110種類しか存在しません。世の中にあるすべてのものが110種類で作られているなんて驚きですよね。
この110種類それぞれの原子があらゆる形で結合し、地球上のすべてのものを作っています。生き物も、植物も、建物や車など全てです。
その原子の中で人間を構成する原子は何か?
私たち人間の90%以上は水素(H)・炭素(C)・酸素(O)で作られています。残りは窒素(N)が3%、リン(P)、カルシウム(C)、カリウム(K)、硫黄(S)などなどが1%以下です。その他にも微量のものは沢山あります。
私たち人間はほぼ水素と炭素と酸素だけで出来ているのです。そう考えるとなんとも不思議ですね。
人間を構成する分子
人間は水素・炭素・酸素がほとんどで、その他数十種類の原子で構成されているのですが、次は原子同士が結合した分子で見てみましょう。
分子レベルで分けると水分・脂質・タンパク質・その他(ミネラル・糖質など)に分けられます。水分が最も多く、60〜70%にもなります。脂質とタンパク質はそれぞれ15〜20%で、その他ミネラルや糖質は数%です。
水分はH2O、脂質はグリセロール(C3H8O3)に脂肪酸が3つ結合したものが一般的な中性脂肪と呼ばれています。脂肪酸の一般式はCnHmCOOHとなっています。そしてタンパク質。タンパク質は炭素(C)にアミノ基(ーNH2)・カルボキシル基(ーCOOH)・水素(H)が結合され、さらにほかの結合体と繋がっています。その結合体によってタンパク質の最小単位であるアミノ酸の種類が決まります。
化学式を見ても殆どが水素(H)炭素(C)酸素(O)の原子が結合してできたものだということが分かりますね。
人間を構成する細胞
細胞レベルになると細胞質と細胞外液(細胞外物質)に分けられます。
細胞外液には細胞間液と血漿(けっしょう)があります。細胞間液はその名の通り細胞と細胞の間にある液体で細胞同士の栄養素を受け渡す役割があります。血漿は血液の中の液体のことです。この血漿は血管から外に滲み出ることも出来、血管から運ばれてきた栄養を各細胞に受け渡したり老廃物を回収したりします。細胞外液は運搬・回収にはなくてはならないものですね。
そして細胞質は細胞膜で囲まれたものすべてのことです。みなさんがイメージする「細胞」そのものです。細胞ではあらゆる代謝が行われ、そしてこの細胞が集まって私たちの身体は形成されています。人間の細胞は約270種類あると言われていてそれぞれの役割と性質を持っています。更に1人の人間には約60兆個〜100兆個の細胞があると言われています。
人間を構成する細胞組織
60兆個〜100兆個ある細胞はそれぞれ役割ごとに集まって決められた役割を果たしています。この細胞の集まりを細胞組織といい、人間の細胞組織は大きく分類すると上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織の4種類に分けられます。
上皮組織は皮膚や各器官の膜となって保護役・仕切り役になる組織です。膜ごとに性質が異なり、皮膚の場合は外からの刺激に強くそして体内の水分を逃さないよう水は通さない性質があります。体内の膜になると今度は水分と一緒に必要な栄養素だけを取り込んだり、不要なものは取り込まないといった性質が備わっています。必要な栄養素だけを吸収して各細胞に届ける大切な仕切りなのです。
結合組織は組織と組織を繋げている組織です。筋肉と骨を繋げる腱・骨と骨を繋げる靭帯などがありますが、他にも軟骨・骨・血液・脂肪・コラーゲンも結合組織に分類されます。この結合組織によってあらゆる組織が一定の位置で一定の形を保っていけるのです。
筋組織は骨格筋はもちろん心臓や臓器を動かす筋肉も含まれます。骨格筋や心筋は横縞がある横紋筋、消化管や内臓壁は横縞がない平滑筋で出来ています。骨格筋だけをとっても紡錘状筋・羽状筋・半羽状筋・二頭筋・三頭筋・二腹筋・多腹筋など役割や動かし方によって筋繊維の構造が異なります。骨格を動かし血液を循環させるために働いています。
神経組織は脳と各組織間の伝達を担うために身体中に張り巡らされた組織です。大きく分けると中枢神経と末梢神経に分けられます。全身の神経の取りまとめをするのが中枢神経。脳と脊髄がそれです。末梢神経は運動神経と自律神経があります。各器官の情報を受け渡します。中枢神経だけでも神経細胞は1000億個〜2000億個以上あり、複雑な脳の働きを担っているのです。
細胞組織はそれぞれの性質・役割があり、人間が人間として生命維持できるよう常に働いているのです。どの組織一つでも機能しなくなると全てがうまく機能しなくなります。まるで人間社会のようですね。
生命の不思議
いかがでしたか?人間はもともとは宇宙にある1つの原子だったのです。
その原子同士が結合し、また結合し、繰り返し、形をそれぞれ変えながら沢山の分子が生まれました。
分子たちはまた化学反応を繰り返し色々なものへと形を変え、その中で生命体が生まれました。それが今の人間の元祖です。
地球上にあるものすべて仲間ですし、世の中の生き物はほんのちょっと配列が違うだけです。人間同士なんてほぼ同じです。
全員、自分という集合体で一生懸命協力しあって維持しています。
そう考えると世界を見る目も少し違ってくる気がしますね。
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