【この記事について】本記事は 2026年9月20日 時点で、厚生労働省「教育訓練給付制度について」「教育訓練給付金の支給申請手続きについて」と、ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」の公開ページを確認して書いています。対象:日本国内で、雇用保険の被保険者または被保険者であった方が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講する場合。給付率・上限額・対象者の条件・指定講座は変更されることがあります。申し込みの前に、記事末尾の公式ページと、住所地を管轄するハローワークで最新の情報をご確認ください。本記事は給付金の支給や、資格の取得・就職の結果を保証するものではありません。対象になるかどうかの判断は、ハローワークが行います。
「40代で学び直したいが、スクール代が10万円を超える。払えない」
「教育訓練給付金という制度があるらしい。でも、自分が対象なのか分からない」
「手続きが面倒そうで、結局そのままにしている」
先に結論です。教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座を修了したときに、支払った教育訓練経費の一部が戻ってくる雇用保険の制度です。戻る割合は講座の種類で3段階に分かれ、一般教育訓練は20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)、専門実践教育訓練は50%(年間上限40万円)から始まります。判断の入口は雇用保険に入っていた期間。そして、申請には期限があります。
この記事では、厚生労働省とハローワークの公開ページで確認できる事実だけを先に置き、そのうえで「40代の事務職が、どこから手をつければ取りこぼさないか」を整理しました。3種類の違い・対象になる条件・申請の期限・自分が対象か先に確かめる方法まで、順番に見ていきます。
まず結論:講座の種類で、戻ってくる割合が変わる
制度名が似ていて、最初は必ず混乱します。ですから先に、早見表を置きます。どの種類に当たるかは、あなたではなく「受ける講座」が決めます。厚生労働大臣がどの区分で指定しているかで決まるからです。
| 講座の種類 | 最初に戻る割合 | 受け取るタイミング |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 教育訓練経費の20%(上限10万円) | 訓練修了後 |
| 特定一般教育訓練 | 教育訓練経費の40%(上限20万円) | 訓練修了後 |
| 専門実践教育訓練 | 教育訓練経費の50%(年間上限40万円) | 受講中、6か月ごと |
厚生労働省は、この制度の目的を「働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ること」と説明しています。40代を対象外とする記載は、今回確認した公式ページのどこにもありませんでした。

【比較表】3種類の給付率と上限額
「資格を取って就職した」「その後、賃金が上がった」といった条件を満たすと、あとから差額が上乗せされる仕組みがあります。厚生労働省の記載をもとに、3種類を1枚にまとめました。
| 条件 | 専門実践 | 特定一般 | 一般 |
|---|---|---|---|
| 基本 | 50%(年間上限40万円) | 40%(上限20万円) | 20%(上限10万円) |
| 資格取得等+1年以内に雇用 | 70%(年間上限56万円)の差額 | 50%(上限25万円)の差額 | ― |
| さらに賃金が5%以上上昇 | 80%(年間上限64万円)の差額 | ― | ― |
| 最長 | 最大3年・上限192万円 | ― | ― |
ここに注意点が2つあります。
- 上乗せぶんは、令和6年10月1日以降に受講を開始した場合が対象と案内されています。それより前に受講を始めた場合、賃金上昇による追加支給はありません
- 計算した額が4千円を超えないときは支給されないと記載されています。数千円の講座では、対象講座であっても戻らないことがあります
なお、専門実践教育訓練を受ける方のうち、昼間通学で、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たし、失業状態にある方には、別に「教育訓練支援給付金」(雇用保険の基本手当の日額の60%相当)が案内されています。これは令和8年度末までの暫定措置とされており、通信制・夜間制は除かれます。45歳以上の方はこの給付金の対象外である点は、先に知っておいてください。
対象になる条件:雇用保険に入っていた期間で決まる
ここが一番大事です。ハローワークインターネットサービスには、支給対象者の条件が次のように書かれています。
| あなたの状況 | 必要な雇用保険の加入期間 |
|---|---|
| 今も雇用保険に入って働いている(一般被保険者等) | 受講開始日に3年以上 |
| 退職した(離職日の翌日から受講開始日まで1年以内) | 同じく3年以上 |
| 初めて教育訓練給付を受ける(一般・特定一般) | 1年以上 |
| 初めて教育訓練給付を受ける(専門実践) | 2年以上 |
もう1つ、見落としやすい条件があります。受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は、支給されないと記載されています。前に一度使ったことがある方は、この3年の間隔を先に確認してください。
40代の方に効いてくるのは、3行目と4行目です。同じ会社に長く勤めていて、給付金を使うのが初めてなら、加入期間で引っかかる可能性は低いということになります。ただし、これはあくまで公開ページの記載であり、あなたが対象になるかどうかを確定できるのはハローワークだけです。
申請の期限:ここを過ぎると受け取れない
制度を知っていても、期限で落とす人がいます。ハローワークインターネットサービスに書かれている期限を、種類ごとに並べます。
| 種類 | いつまでに申請するか |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 訓練修了日の翌日から起算して1か月以内 |
| 特定一般教育訓練 | 訓練修了日の翌日から起算して1か月以内 |
| 専門実践教育訓練 | 受講開始日から6か月ごとの期間の末日から起算して1か月以内(修了日のある期間は修了日の翌日から1か月以内) |
上乗せぶんの申請にも期限があります。資格取得または就職した日のいずれか遅い日から起算して1か月以内(専門実践の賃金上昇ぶんは1年以内)と案内されています。「修了したら終わり」ではありません。修了日をカレンダーに入れて、その翌日から1か月の枠を先に押さえておいてください。
受講の「前」にやる手続きがある種類もある
専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講を始めてからでは間に合いません。次の手順が必要と書かれています。
- 訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける
- 就業の目標などを記載したジョブ・カードの交付を受ける
- 受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認の手続きを行う
ここを飛ばすと、講座そのものは受けられても給付の対象にならない可能性があります。申し込みボタンを押す前に、ハローワークへ行く日を決める。順番はこれです。
自分が対象か、先に確かめる方法(支給要件照会)
「受けてから対象外と分かった」が一番つらい結末です。これを避ける仕組みが用意されています。支給要件照会です。
ハローワークインターネットサービスには、支給申請に先立って受講開始(予定)日時点での受給資格の有無と、受けたい講座が厚生労働大臣の指定を受けているかをハローワークで確認できる、と書かれています。
- 「教育訓練給付金支給要件照会票」に記入する
- 運転免許証や住民票の写しなどの本人確認書類を提示・添付する
- 提出方法は本人来所・代理人・郵送・電子申請
電話による照会は受け付けていないと明記されています。「トラブルのもとになるおそれがあるため」と理由も書かれていました。電話で済ませようとせず、照会票を出してください。なお、支給申請と受給資格確認は電子申請が可能と案内されています。
対象の講座を探す:教育訓練講座検索システム
どんなに良さそうな講座でも、厚生労働大臣の指定を受けていなければ対象になりません。指定を受けている講座は「教育訓練講座検索システム」で検索できます。
探し方は、この順番が迷いません。
- 検索システムで、自分の都道府県と学びたい分野で絞る
- 出てきた講座がどの区分(一般/特定一般/専門実践)か確認する
- 受講料を見て、戻る割合を掛けて自己負担の見込みを出す
- その講座名を持って、ハローワークで支給要件照会をする
厚生労働省は「教育訓練給付金シミュレーター」も公開しており、教育訓練経費を入力すると支給額を試算できると案内しています。3の計算は、これで代えても構いません。
40代の事務職が、今日やる3ステップ
情報が多いので、最初の一歩だけ小さく切ります。
- 雇用保険の加入期間を思い出す。今の会社に3年以上いるか、給付金を使ったことがあるか。この2つだけで、おおよその見当がつきます
- 検索システムで講座を1つだけ見る。10分で終わります。区分と受講料をメモしてください
- ハローワークに相談の予定を入れる。支給要件照会票は、その場でもらえます
資格そのものから考えたい方は、事務職の定番であるMOSの費用と難易度を先に見ておくと、講座選びが早くなります。

よくある質問
Q. 在職中でも使えますか?
A. 公開ページでは、雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者等であることが支給対象者の条件として挙げられています。つまり、働きながらの受講も想定された制度です。ただし加入期間などの条件があり、対象になるかはハローワークの確認が必要です。
Q. 退職してからでも間に合いますか?
A. 記載では、雇用保険の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であることが条件のひとつとされています。退職を考えている方は、この1年を意識してください。
Q. 受講料が安い講座でも戻りますか?
A. 計算した額が4千円を超えない場合は支給されないと記載されています。たとえば一般教育訓練(20%)なら、受講料が2万円に満たない講座は対象外になる計算です。
Q. ハローワークの職業訓練とは違うのですか?
A. 別の制度です。ハローワークの職業訓練(ハロートレーニング)は受講料が原則無料で、主に仕事を探している方が対象。教育訓練給付金は自分で受講料を払い、あとから一部が戻る仕組みで、在職中でも使えます。違いは次の記事にまとめています。

Q. 申請はハローワークに行かないとできませんか?
A. 厚生労働省のページには、支給申請と受給資格確認は電子申請等が可能と書かれています。提出書類チェックリストやQ&Aも公開されています。ただし相談は、住所地を管轄するハローワークが窓口です。
まとめ:制度は待ってくれないが、調べる順番は決まっている
教育訓練給付金でつまずく場所は、だいたい決まっています。①自分が対象か分からない ②講座が指定を受けているか分からない ③期限を過ぎる。この3つです。そして3つとも、受講を申し込む前に片付けられます。
- 戻る割合は20%/40%/50%〜の3段階。決めるのは講座の区分
- 入口は雇用保険の加入期間。初めてなら1年(専門実践は2年)以上という記載
- 専門実践・特定一般は受講開始日の2週間前までに受給資格確認
- 申請は修了日の翌日から1か月以内
- 迷ったら支給要件照会。電話ではなく照会票で
40代の学び直しは、お金の心配がいちばん重くのしかかります。けれど、この制度は「働いてきた期間」そのものが条件になっている仕組みです。20年働いてきたことが、はじめて味方になる場面かもしれません。まずは講座を1つ検索するところから、始めてみてください。
次に読む
受講料が無料の公的職業訓練との違いを知りたい方へ。どちらに当たるかの判断から整理しています。

事務職の定番資格の費用と難易度。給付金で自己負担を下げる話もここに入れています。

講座を選ぶ前に。40代の業務経験を「強み」として言葉にするやり方です。

参考にした一次情報(2026年9月20日確認)
教育訓練給付制度について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
教育訓練給付金の支給申請手続きについて|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00044.html
教育訓練給付制度|ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
教育訓練講座検索システム|厚生労働省
https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/
ハローワークの所在地一覧|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/hellowork.html


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