【この記事について】本記事は 2026年10月13日 時点で、Microsoft の公式サポート情報(記事末尾に出典)を確認し、あわせて Windows 版 Microsoft 365 の Excel(バージョン 16.0・ビルド 20430)で、シートのコピーによって名前がいくつ増えるか・名前の管理に出ない名前が残るか・まとめて削除できるかを実際に操作して書いています。対象環境:Windows 版の Microsoft 365 の Excel(デスクトップ版)。Mac 版・Web 版、またはお使いのバージョンによって、画面の表示やボタンの名前が異なる場合があります。本記事の内容の利用は、ご自身の判断と責任でお願いします。
シートをコピーしたときに「移動先またはコピー先のワークシートに、既にある名前が含まれています」が何十回も出るのは、コピー元のシートに「名前の定義」がくっついていて、それがコピー先の同じ名前とぶつかっているからです。ファイルが壊れたわけではありません。止めるには、ダイアログを消すのではなく「名前」そのものを消します([数式]→[名前の管理])。やっかいなのは、名前の管理に出てこない名前が残っている場合があることで、本記事の環境でも一覧に6件しか出ないのに実体は7件ありました。この記事では、原因と直し方を、実機で数えた結果つきでまとめます。
🔎 症状が少し違うときは、こちらが近いです
30秒で切り分け|あなたの「名前の重複」はどれ?
同じダイアログでも、やることは3つに分かれます。まず自分がどれかを決めてください。
| あなたの状況 | 原因 | 最短の直し方 |
|---|---|---|
| シートを1枚コピーしたら、同じダイアログが何回も出る | 原因1・2 | [はい]を押し続けて終わらせ、あとで名前をまとめて消す |
| 毎月コピーするたびに、出る回数がだんだん増えている | 原因3 | コピーをやめて、名前を消したひな形から作る |
| 名前の管理で全部消したのに、まだ出る | 原因4 | 非表示の名前が残っている。マクロで消す |
名前の管理に #REF! が並んでいる |
原因5 | エラーのある名前だけ絞り込んで削除する |
なぜ出るのか|実機で数えた結果
「名前の定義」は、セル範囲や数値に付けたあだ名です(例:売上範囲 = データ!$A$1:$B$5)。これはシートではなくブックに保存されますが、シートをコピーすると一緒に付いてきます。
本記事の環境で、名前を3つ持つブックAのシートを、同じ名前を1つ持つブックBへコピーして数えました。
| 操作 | ブックBの名前の数 | 何が起きたか |
|---|---|---|
| コピー前 | 1件 | 売上範囲(ブック全体のもの)だけ |
| 1回コピー | 4件 | 3件が流れ込み、ぶつかった 売上範囲 は データ!売上範囲 というシート単位の名前に変えられた |
| もう1回コピー | 6件 | 'データ (2)'!売上範囲 のようにさらに増えた |
🔵 ここが要点です。Excel はぶつかった名前を消さず、「シート単位の名前」に作り替えて両方残します。だからコピーするたびに名前が増え、ダイアログの回数も増えていきます。「毎月コピーしていたら、だんだん止まらなくなった」のはこのためです。
原因1|コピー元のシートに名前の定義が付いている
いちばん多い形です。前任者が作った表や、ネットで拾ったひな形には、たいてい名前が入っています。
原因2|コピー先にも同じ名前がある
同じひな形から作ったファイル同士をコピーすると、必ずぶつかります。
原因3|コピーを繰り返して名前が増殖している
上の表のとおり、回数ぶん増えます。ダイアログを[はい]で流し続けても、名前は減りません。
原因4|名前の管理に出てこない名前がある
名前には「表示しない」設定ができ、そうすると[名前の管理]の一覧に出てきません。本記事の環境でも、一覧に出たのは6件、実際にあったのは7件でした。アドインや他社のテンプレートが作ることがあります。「全部消したのにまだ出る」はこれです。
原因5|参照が壊れた名前(#REF!)が残っている
名前が指していたシートや行を消すと、中身が #REF! になった名前だけが残ります。使えないのに、コピーには付いてきます。
直し方1|名前の管理からまとめて消す
まず、ダイアログが出ている最中は[はい]を押し続けて、いったんコピーを終わらせます([いいえ]は名前を付け直す画面になり、回数が増えます)。終わってから名前を消します。
- [数式]タブ →[名前の管理](
Ctrl+F3) - 一覧のいちばん上をクリックし、
Shift+クリックでいちばん下まで選ぶ - [削除]→[OK]
⚠ 消す前に、その名前が数式で使われていないか確かめてください。使われている名前を消すと、数式が #NAME? になります。[フィルター]→[エラーのある名前]で絞り込めば、壊れている名前だけを安全に消せます(原因5のとき)。
直し方2|名前の管理に出ない名前を消す(原因4)
一覧に出ない名前は、画面からは消せません。マクロで消します。本記事の環境では、この処理で6件 → 0件になることを確認しました。
Sub 名前をすべて削除する()
Dim n As Name
Dim c As Long
For Each n In ThisWorkbook.Names
On Error Resume Next
n.Delete
If Err.Number = 0 Then c = c + 1
Err.Clear
On Error GoTo 0
Next
MsgBox c & " 件の名前を削除しました。残り " & ThisWorkbook.Names.Count & " 件です。"
End Sub
使い方:Alt+F11 → [挿入]→[標準モジュール]に貼り付け → F5 で実行します。
⛔ これは名前を全部消します。先にファイルをコピーして控えを取ってから実行してください。数式で名前を使っている表では、実行後に #NAME? が出ます。残したい名前があるなら、直し方1で手で選んで消すほうが安全です。
直し方3|そもそも毎回出さないようにする
毎月同じ作業をしているなら、ここまでを毎月やる必要はありません。名前を消したファイルを1つ作って、それをひな形にします。
- いまのファイルをコピーして、直し方1で名前を全部消す
- データを消して、枠と数式だけにする
- [名前を付けて保存]→ ファイルの種類を[Excel テンプレート(*.xltx)]にする
- 来月からは、シートをコピーせずこのひな形を開いて使う
🔵 シートのコピーは、名前・条件付き書式・入力規則をまとめて連れてきます。ひな形から始めれば、連れてくるものがありません。直すのではなく、起きないようにするのがいちばん手間が減ります。
よくある質問
ダイアログは[はい]と[いいえ]のどちらを押せばいいですか?
[はい]です。[はい]は「その名前のまま使う」で、コピーが進みます。[いいえ]は名前を付け直す画面が出るため、名前の数だけ入力を求められて終わりません。どちらを押しても、名前自体は残ります。押し終わってから消してください。
ダイアログを出さずにコピーできませんか?
コピーする前に名前を消しておけば出ません。順番が逆だと必ず出ます。「出たら消す」ではなく「コピー前に消す」と覚えてください。
名前を消すと、数式はどうなりますか?
その名前を使っている数式は #NAME? になります。消す前に[名前の管理]で参照範囲を見て、使われていないものから消すのが安全です。
シート単位の名前とブック全体の名前は何が違いますか?
有効な範囲(スコープ)が違います。ブック全体の名前はどのシートからでも使え、シート単位の名前はそのシートの中だけで使えます。ぶつかったときに Excel が作るのは、シート単位のほうです。
コピーするたびに増えた名前は、放っておくと何か起きますか?
ファイルが重くなり、ダイアログの回数が増えます。壊れた名前(#REF!)が混ざると、他のファイルへコピーしたときに相手側にも移ります。見つけた時点で消しておくのが結局いちばん早いです。
まとめ
「既にある名前が含まれています」は、シートにくっついてきた「名前の定義」がぶつかっているサインです。Excel はぶつかった名前を消さずに作り替えて両方残すので、コピーを重ねるほど増えます(本記事の環境で 1件 → 4件 → 6件)。
今日のところは、ダイアログは[はい]で流し切る・終わったら Ctrl+F3 で名前をまとめて消す、この2つだけ覚えておいてください。それでも出るときは、一覧に出ない名前が残っているので、直し方2のマクロを使います。毎月やっているなら、ひな形にしてしまえば二度と出ません。
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参考にした一次情報(2026年10月13日 確認)
数式で名前を定義して使用する|Microsoft サポート
https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/get-started/define-and-use-names-in-formulas
Excel で[名前の管理]を使用する|Microsoft サポート
https://support.microsoft.com/ja-jp/excel/use-the-name-manager-in-excel


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