健康のためにいいとされている有酸素運動。最近は運動不足解消のために取り入れている方も多いと思います。有酸素運動は医師会でも薦められていて、実際に薬と同じように処方されることが多々あります。それほど、身体にとって良い効果があるのです。具体的にどのような効果があるのでしょうか?
有酸素運動とは
有酸素運動とは酸素を利用して作られたエネルギーで持続的に行える軽度〜中程度の負荷の運動のことです。軽く息があがる程度のものをいいます。心拍数でいうと個人差はありますが約110〜120が有酸素として最適な負荷と言われています。
有酸素運動はエネルギーを作り出す過程で体内の糖質や脂質を消費し酸素とともに大きなエネルギーを作り出します。
持続的に大きなエネルギーを生み出せますが、エネルギーを作り出すためにさまざまな代謝の過程を踏まなければならないので、瞬時に大きなエネルギーを要する筋トレなどでは初動は酸素を使わないでエネルギーを作り出すATP分解による無酸素運動となります。
ただし、ATP分解によるエネルギーの産出は数秒しかもたず、その後の糖質から乳酸を生み出す同じく酸素を利用しない乳酸系の無酸素運動も1〜2分しかもちません。
無酸素運動と言われているものでも、継続して行うものは有酸素運動のエネルギーも使われることになります。
有酸素運動の効果
呼吸によって取り込んだ酸素と体内の糖質や脂肪を消費しながらエネルギーを産む有酸素運動は体にとってとても良い効果があります。
心肺機能の向上
有酸素運動を続けることで酸素をより効率的に体内に取り入れてスムーズに血液内を循環させることが必要になりますので、そのための機能が向上します。
まず呼吸筋が発達し、呼吸による酸素の入れ替え量が増えます。さらに中程度ほどの有酸素運動を継続して行うことで必要とする酸素の増加に伴い血液を沢山供給するように働き、一度に体内に酸素を取り込める量も増えてきます。
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血流の改善(血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖などの数値改善)
有酸素運動は酸素のほかに糖質または脂質が必要となります。血中の糖を取り込むためにインスリンの分泌が促され血糖値がさがり、また血液中にある中性脂肪も分解され、さらに内臓脂肪の分解も促されます。これにより、血液中の善玉コレステロールが増え悪玉コレステロールが減少します。
有酸素運動にはドロドロだった血液をサラサラにする効果があるのです。
生活習慣病の予防や改善にはまず有酸素運動。動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを減らしましょう。
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精神疾患の改善(鬱や不安など)
有酸素運動は脳へも酸素が行き渡り、神経系・内分泌系を司る視床下部・下垂体も活性されます。ホルモン分泌のコントロールが安定しメンタル面への良い効果があることが分かっています。
軽めの有酸素運動では副交感神経が優位になり、自律神経の乱れを修正してくれます。
さらに同じテンポで繰り返すことで幸福感を得るセロトニンやエンドルフィンなどのホルモン分泌が促され、心の安定にとても効果を発揮するのです。
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脳の活性(記憶力向上、認知症予防)
脳へ酸素がたくさん供給されることで脳細胞も増加し、記憶力があがることも分かっています。有酸素運動によって海馬の容量が増えたという研究結果もあるほど。
ずっとデスクに向かって勉強や仕事をするより、気晴らしにジョギングを行った方が記憶力もアップし集中して効率よく作業が進みます。また高齢者の記憶力の低下や認知症の進行を遅くする効果もあります。
脳を刺激し活性させるためにも有酸素運動は絶大な効果があるのです。
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ダイエット
血流の話のところでも書きましたが、有酸素運動は脂肪を分解してエネルギーを生み出す働きがあります。そこで真っ先に使われるのが内臓脂肪。それから皮下脂肪です。無酸素運動で分解されるのは糖ですから、効率的に脂肪を減らしたいなら脂肪も分解する有酸素運動も取り入れた方が良いと言えます。
また、メンタルの安定にも効果があるのでダイエットで感じるストレスの緩和にも役立ちます。
健康的にダイエットをするなら有酸素運動と無酸素運動を合わせたダイエットがおすすめです。

まとめ
有酸素運動といっても身構えずに『早歩きで歩く』『サイクリング』などでOK。心肺機能をより強化する目的なら中程度の『ジョギング』『階段昇降』『なわとび』『エアロビクス』などにもチャレンジしてみましょう!
いずれにしても有酸素運動は継続することで効果が現れます。自分に合った有酸素運動を見つけて生活に取り入れて見てくださいね!
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