いきなり『背骨が曲がってる』と言われたら心配になりますよね。側湾症の多くは子供の頃の健康診断で見つかります。ですが、まれに大人になって初めて『背骨が曲がってる』『側湾症かも』と言われる場合も。
これは子供の時に見逃された軽度の側湾が進行したり生活習慣によって曲がってしまった可能性があります。
側湾症はどんなものなのでしょう?そして治るのでしょうか??
側湾症とは?
側湾症とは、背骨が左右にねじれて曲がっている症状のことを言います。
腰椎や胸椎だけがC字に側湾しているものや、腰椎と胸椎がS字に側湾しているものとあります。
側湾の角度をコブ角といい、10°以上あるものが側湾症と言われます。
25°以下では軽症となり要観察の場合が多く、25°〜35°では進行を防ぐための装具を付ける場合が多いです。35°以上になると重度側湾となり手術となる可能性もあります。
側湾症には大きく「機能性側湾」と「構築性側湾」の2種類があります。機能性側湾は背骨そのものが原因ではなく姿勢やスポーツなどの生活習慣または脚長差や関節疾患などが原因となって背骨が曲がってしまっているものを言います。原因を取り除けば治っていくことが多いです。
一方、構築性側湾は背骨そのものに原因があるものをいいます。背骨が変形し捻れも加わっているのが特徴です。骨の変形が伴っているので完全に治すのは容易ではありません。ですが、放っておくと機能性の部分も加わり進行が進む事もあり得ます。進行や拘縮を防ぐためにも運動療法はおすすめします。
機能性側湾症と構築性側湾症の見分け方
側湾症の見た目の特徴としては
- 肩の高さが違う
- 肩甲骨の位置が違う
- ウエストの高さが違う
などがあります。ですが、これは側湾症でなくても筋肉のバランスや姿勢の崩れなどでも見られる事ですので判断基準にはなりません。
自分ではなかなか見にくいですが、第三者から背骨をたどってもらい真っ直ぐではなく湾曲を描いている場合は側湾症である可能性があります。
正確な判断はレントゲンになりますが、背骨に側湾がみられる場合、以下のテストで機能性なのか構築性なのか見分けることが出来ます。
側屈テスト
背骨の側湾が確認できた場合、立位で左右に側屈していきます。
左右どちらかに側屈した時、側湾が無くなる場合は『機能性側湾』、左右どちらに側屈しても側湾が固定されたまま変わらない場合は『構築性側湾』と判断できます。
前屈テスト
立位から前屈を行い、後ろから見た背中の高さが左右明らかに違う場合は捻れが加わった構築性側湾と判断出来ます。
このようにテストである程度判断は出来ますが、あくまでも正確な判断はレントゲンでの診断となります。
機能性側湾症を改善する体操
機能性側湾を改善するためには、姿勢と生活習慣の改善が必要になります。
どちらか一方に傾いたり捻れたりする座り方や立ち方、仕事やスポーツはしていませんか?思い当たる方はまずそこから見直しましょう。
今回紹介する体操は機能性側湾を改善するための体操です。構築性側湾の可能性がある方にも効果ありますが、側湾の程度や捻れ方向によって対応は変わってくるので改善するためではなく固まった関節や筋肉をほぐす意味合いで行いましょう。
骨盤捻れ解消
背骨の土台は骨盤です。背骨が曲がってしまっている人は土台の骨盤で捻れが出ていることがほとんどです。
- うつ伏せになり大きく足を開いた状態から膝を曲げます。
- そこから大きく左右に足を倒していきましょう。
ポイントは骨盤も一緒に左右に揺れるくらい大きく揺らすこと。
左右で動かしにくい方があったらそちら側を多めに行いましょう。
左右のバランスを整える
背骨が左右に曲がってしまっている人は左右の筋肉バランスが崩れてしまいます。生活の癖で出来てしまったものが筋肉が拘縮してしまうことで更にその歪みを助長させてしまい、どんどん崩れてしまいます。
- 仰向けになり大の字になります。
- 右手で左手の手首を持ち、右側に引っ張ってきます。
- 左足も右足に出来るだけ近づけて三日月の形になります。
左側全体を伸ばしながらそのまま1分くらいリラックスしてキープしましょう。両方おこない、どちらか動かしにくい方があったら、そちらを少し長めにキープしましょう。
脊柱起立筋をバランスよく使う
側湾になってしまうと背骨の可動も少なくなり、背骨を支える脊柱起立筋も弱くなってしまっていることがあります。バランスよく筋肉を使いバランスよく背骨を使えるように動かしていきましょう。
- 四つん這いになり、右手と左足を引き寄せてから真っ直ぐ伸ばします。
- ゆっくりと交互におこないます。
これはどちらかが苦手だと感じても多めにやらず左右均等に動かすことが大切です。
そうすることでバランスが整います。
まとめ
このように背骨だけでなく体の歪みがある場合は関節や筋肉をほぐすように動かしてバランスを整えることが日頃できるケアになります。
いったん歪んでしまうと、その歪み方向に体が誘導されてしまい正常な位置に戻せなくなってしまいます。意識的に動かしてそのまま固定されてしまうのを防ぎ可動性をつけていきましょう。
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