呼吸筋といったら横隔膜が代表的ですが、実は肋間筋も呼吸筋のひとつです。あまり聞き慣れない筋肉ですが、硬くなってしまうと呼吸がしにくくなり疲れやすく気分も落ち込んでしまいます。
現代社会では呼吸筋が硬くなりがち。しっかり動かしてスムーズな呼吸をしていきましょう!
肋間筋ってなあに?
肋間筋はその名の通り肋骨の間にある筋肉で、内側にある内肋間筋と外側にある外肋間筋に分かれています。

内肋間筋は外肋間筋の内側にあり呼気の時に肋骨を狭めて下げる働きがあり、外肋間筋は内肋間筋の外側にあり吸気の時に肋骨を広げて上げる働きがあります。真逆の働きなんですね。
このように肋間筋はともに協力し合い呼吸をサポートする呼吸筋なのです。
肋間筋が硬くなると?
肋間筋は呼吸筋であるため、硬くなってしまうと肺を包んでいる胸郭の動きが悪くなり呼吸が浅くなってしまいます。
呼吸が浅くなると自律神経も乱れてきますし酸素の入れ替えが少なくなり代謝が落ち太りやすくなったり疲れやすくなったりといった症状がでてきます。

胸郭の動きが悪くなることで、それに関係する筋肉の動きも悪くなり肩甲骨や肩回りの筋肉や腹斜筋などのお腹の筋肉が硬くなりがち。これが肩こり腰痛にも繋がります。
さらに胸郭の動きが悪くなると胸椎という背骨の骨の動きも少なくなります。それにより、頸椎という首の骨や腰椎という腰の骨が必要以上の動きを要求されるようになり関節にも負担がかかります。それによる首や腰の痛みも感じやすくなるのです。
肋間筋が硬くなる原因は?
肋間筋が硬くなる原因は大きく以下になります。
- ストレス
- 猫背姿勢
毎日ストレスに晒され常に交感神経が優位になっていると呼吸が浅くなってしまいます。呼吸と自律神経は密接に関係していて、ストレスに晒されるほど交感神経が優位のままとなり呼吸が浅くなります。逆にリラックスした状態になれると副交感神経が優位になり深い呼吸が出来てきます。
日々ストレスに晒されていることで、通常なら副交感神経が優位に切り替えられる夜にも切り替えることが出来ず交感神経が優位になったまま。これは夜更かしなども同じことです。寝ている間も常に浅い呼吸になってしまうので肋間筋はどんどん硬くなってしまいます。
また、最近のマスク生活でも大きく酸素を出し入れしながら声を出すことが出来ず呼吸が浅くなりがちです。呼吸が浅くなってしまうと気分も落ち込みがちになるので一日に一度は深呼吸をして胸郭を動かし肋間筋を柔軟にしていくと心身共の健康のためにも良いのです。

さらにデスクワークやスマホ操作など下を向いて作業をすることが増えるとどうしても首から背中が丸くなってしまいます。
背中を丸くすることで胸郭が下がった状態に。胸郭を広げることがない生活を続けていると胸郭が下がったまま固まってしまいます。これが猫背の元。必然と肋間筋も硬くなり呼吸も浅くなってしまうのです。
日ごろから胸を大きく広げ背伸びをし、背中を伸ばす癖をつけることで肋間筋がストレッチされ柔軟になっていきます。
肋間筋ストレッチ
肋間筋ストレッチには深呼吸と背伸びが有効です。
①手を組み上に伸ばしながら左右に体を倒し胸郭の脇を伸ばしていきましょう。

更に深呼吸をして肺に空気をたくさん入れ胸式呼吸をしていきます。たくさん空気を取り込むには、まず息を吐き切ることがポイント。全て吐き切ってから大きく吸い込んでいきましょう。
①背中を丸めて胸郭を落とし最後まで吐き切ります。
②そのあと肺を大きく膨らませるようなイメージで手を横に広げて息を吸い込みます。
何回か繰り返しましょう!

胸郭の筋膜マッサージ
胸郭の内側にある肋間筋が硬くなると外側胸郭周辺の筋肉も硬くなります。胸郭周辺の筋肉・筋膜をマッサージして全体を緩めていきましょう。
【外腹斜筋・内腹斜筋・前鋸筋】
胸郭の脇部分は特に硬くなりがちな場所です。外腹斜筋と内腹斜筋は胸郭の下部、前鋸筋は上部にあります。

外腹斜筋と外肋間筋、内腹斜筋と内肋間筋はそれぞれ筋繊維の走行が同じなので腹斜筋の延長のようにも見えます。肋間筋の硬さは腹部の硬さにも繋がると言えるでしょう。
そして外腹斜筋と交わるように前鋸筋が存在します。前鋸筋は肩甲骨に繋がっています。肩甲骨の硬さや肩こりなどにも関係してきます。

①手をグーにした状態で肋骨の脇部分をゴリゴリしごきましょう。
下部分が腹斜筋、脇に近い部分が前鋸筋になります。
【横隔膜】
横隔膜は肋間筋と同じく呼吸筋です。肋間筋とも筋膜で繋がっており、呼吸が浅くなるとここ横隔膜も硬くなってしまいます。

①仰向けになり肋骨の下部分に指を入れてしごきながら移動します。
硬く感じるようなら横隔膜が硬くなっている証拠です。硬い方は毎日マッサージを習慣にすると効果的!
まとめ
呼吸は生きるためにとても大切です。腹式呼吸で横隔膜を動かすのと同時に胸式呼吸もおこなって肋間筋も動かしていきましょう。
肋間筋と横隔膜は繋がっているので、肋間筋が硬くなることで腹式呼吸もし難くなります。どちらもしっかりできるよう胸式での深呼吸、腹式での呼吸同時にトレーニングしていけるといいですね!
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