座った時、立ち上がりに尾骨が痛い!その原因と対処法

不調改善&メンテナンス

座った時に尾骨が当たって痛いというのは女性に多い訴えです。特に産後の女性に多く、妊娠中または出産してから痛みはじめたという方も多いのではないでしょうか。

どうして尾骨が痛くなるのか?原因と対処法を考えていきましょう!

尾骨とはどんな骨?

尾骨とは骨盤の後ろ側についている逆三角形をしている仙骨の先端部分です。

もともと仙骨は5つの椎骨に分かれていて、出生時に融合して1つの骨になります。そして尾骨も3〜4つの椎骨が融合して出来ています。

仙骨と尾骨を繋ぐ関節は仙尾関節といい、前後方向に可動を持っていて出産時には尾骨が動き出口を広くします。

また、骨盤の腸骨と仙骨を繋ぐ仙腸関節も回転する可動を持っていて出産時には仙骨が伸展し出口を広くします。その他にも仙骨は日常の動作でわずかに回転しながらバランスを取っています。

そんな仙骨の先端に付いている尾骨は小さな骨ですが、あらゆる大切な筋肉や靭帯が付着する部分でもあります。

筋肉は尾骨筋や肛門挙筋(腸骨尾骨筋・恥骨尾骨筋・恥骨直腸筋)、靭帯は前仙尾靭帯・前縦靭帯・棘上靭帯・仙棘靭帯・仙結節靭帯・肛門尾骨靭帯、そのほかに膣を支持している骨盤内筋膜もあります。

これらは仙腸関節や仙尾関節を支えるだけでなく尾骨と恥骨、尾骨と腸骨にも張り巡らされ、体の中心部分である骨盤全体のバランスと安定性を保つために働いているのです。

また、尾骨は骨盤底筋群の支えとなる骨の一部です。尾骨の先から出ている肛門尾骨靭帯は、そこから骨盤底筋の肛門括約筋へと直接繋がり、そこから他の骨盤底筋へと繋がります。

このように尾骨は小さな骨ですが骨盤のバランスと安定性を保つため、膀胱・直腸・子宮を支えるためにとても大切な骨なのです。

座った時に尾骨が痛む原因

座った時に尾骨はどの位置にあるのでしょうか。通常、座った時には坐骨が着地しますのでそれより上方で内側にカーブをしている尾骨は座面からは浮いた状態になります。本来ならば座った時に坐骨が当たるなんてことはないのです。

ではなぜ痛いのか?それはいくつか原因が考えられます。

坐骨が痛くなる原因

  • 仙骨または尾骨が伸展している
  • 仙骨座りをしている
  • 柔らかいソファに座り尾骨を圧迫している
  • 他の筋肉や靭帯が尾骨に影響を与えている

これらはひとつだけ当てはまるということではなく、いくつか重なって痛みがでるということが多いです。仙骨や尾骨が伸展している状態で仙骨座りをしたりお尻が沈むような柔らかいソファに座ったり、または骨盤が歪んでいることで尾骨に負担をかけているなどです。

仙骨が伸展しやすい人は反り腰の人、産後または出産経験のある人などです。尾骨に関しても同じく産後または出産経験のある人、あとは尻もちなどで尾骨を打つことで変異してしまっているということも案外めずらしくありません。出産では赤ちゃんが出やすいように仙骨も尾骨も伸展しますから、産後の女性は誰でも伸展した状態です。通常でしたら時間と共に元にもどりますが、そのままになってしまう方もいます。

こういった伸展した状態で骨盤を倒して座る仙骨座りをすると伸展した尾骨が当たりやすくなり圧迫され痛みが出ます。柔らかいソファでは骨盤全体が沈みますので、坐骨だけついているつもりでも坐骨まで圧迫される感じになります。

どちらも仙骨や尾骨が伸展状態にあり通常より外に突起した状態になっている方が痛みが起きやすいと言えるでしょう。

また、尾骨には靭帯や筋肉が付き恥骨や腸骨へと伸びています。産後で靭帯が緩んでいたり、骨盤の歪みで筋肉のバランスが崩れていると立ち上がる瞬間や中腰になった時に尾骨へストレスがかかり痛みを感じることもあります。

尾骨の痛みを改善する対処法

尾骨が痛む場合はまず坐骨で座るように心がけてみましょう。後ろへ寄りかかるような座り方は仙骨座りとなり尾骨が当たりやすくなってしまいます。お尻の下にある左右の骨が坐骨です。そこをまっすぐ着地させるように座ることで坐骨は当たりにくくなります。

それでも坐骨が痛い場合は骨盤の歪みが坐骨へ影響を与えている可能性が高くなります。

骨盤の歪みを調整する体操をまずは1ヶ月続けてみましょう。

【骨盤の歪みを治す体操①】

  1. 仰向けになり膝を立てて足は腰幅より広くひろげます。腕は真横に広げてください。
  2. そのままゆっくり大きく足を左右に揺らしましょう。

【骨盤の歪みを治す体操②】

  1. 足を腰幅に開き、骨盤だけを滑らかに回します。
  2. 右回り左回り、肩や足はなるべく動かさないように骨盤だけを回します。

立ち上がりなど動作で痛みがある場合は骨盤周りを安定させるために骨盤底筋トレーニングがおすすめです。

骨盤底筋群が弱くなると尾骨に必要以上にストレスが加わります。特に産後は靭帯も緩んでいるので気をつけましょう。

骨盤底筋群は弱くなった骨盤周りの靭帯を守る役割もあります。産後は早い段階で骨盤底筋群トレーニングを開始することをお勧めします。

【骨盤底筋トレーニング】

  1. 仰向けで寝て膝を立てます。(膝と膝の間隔は握り拳2個分くらい)
  2. 肛門と膣を同時に締めながらお尻を上げていきます
  3. 1番締まっている位置で5カウントキープ
  4. 背骨の方から1本1本床に下ろしていくような感じでお尻まで下ろします
  5. 下ろしたらいったん脱力します

1日3〜5セットが目安です!

骨盤底筋は「締める意識をする」ことが大切。トレーニングの最中は骨盤底筋にだけ意識をもっていき、集中して行いましょう。

まとめ

尾骨は産後に痛み出すことが多いですが、過去の尻もちや怪我で変形していたり座り方で変形することもあります。

痛む場合は座り方を意識したり、当たる部分にクッションを一時的に置いてみるなどの対処を取りましょう。

《坐骨が痛む場合のおすすめクッション》

Amazon.co.jp

コメント

タイトルとURLをコピーしました