手首が硬くなる原因は!?手根骨の複雑な動きと連動について

不調改善&メンテナンス

手首の硬さを感じたことはありませんか?なんとなく動かしづらい、詰まった感じがするなど様々です。手首が硬いと怪我をしやすくなったり疲れを感じやすくなります。

手首の関節は実はとても複雑で繊細です。今回はそんな手首の動きについて詳しくお話ししていきますね。

手首の関節と動き

手首の動きと可動域について見ていきましょう。手のひら側に曲げる屈曲の動きは90°、手の甲側に曲げる伸展の動きは70°、そして橈骨側に曲げる橈屈が25°、尺骨側に曲げる尺屈は55°が標準的な手首の可動域です。もちろん多少の前後差はあります。

次に手首の構造を見ていきましょう。手首とは前腕の長い骨(橈骨と尺骨)と手のひらを繋ぐ部分です。ここには手根骨という8個の小さな骨の集合体があります。

この8個の骨はパズルのように組み合わされていて手の複雑な動きに対応して動いています。手首の動きはこの手根骨の動きがとても重要になってくるのです。

手根骨は大きく腕側(近位列)手指側(遠位列)と4個ずつの2列に分けることができます。

近位列は舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨、遠位列は大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨となります。

近位列は比較的個々に動けますが、遠位列は個々の動きが少なく一体となって動く特徴があります。

手首の動きで重要となる関節は橈骨手根骨関節、手根中央関節と近位列に関係する関節です。

橈骨手根関節は楕円の形をした手根近位列が橈骨の楕円型楕円の形をした凹部にはまっている楕円関節で、近位列が滑り込むようにして動きます。手根中央関節は平らな面同士が構成する滑走関節で、可動性が少ない関節です。

一般的に手首の屈曲は橈骨手根関節がメイン伸展は手根中央関節がメインで動きます。

さらに近位列の舟状骨と月状骨は手首屈曲では互いに屈曲し、手首伸展では互いに伸展します。

舟状骨と月状骨は手首の動きに伴って大きく動くので負担がかかり、互いを固定している舟状骨月状骨間の靭帯は炎症・損傷しやすい靭帯にもなります。

そして橈屈では手根中央関節がメインで動き、尺屈では橈骨手根関節と手根中央関節が同程度の割合で動きます。

橈屈の時はそのまま真横に倒すと舟状骨と橈骨の突起がぶつかり挟み込みが起こってしまうため、それを防ぐためにも橈骨手根関節は動きが少なく近位列は屈曲位かつ遠位列は伸展位になります。

尺屈ではその逆の動きになり、近位列が伸展し遠位列が屈曲します。

手首は8個の小さな手根骨が微妙にバランスを取り合いながら動き、それによってスムーズな可動を出しているのですね。

手首が硬くなる原因

手首の硬さは主に屈曲と伸展の動きで感じることが多いですね。原因は『手根骨の微妙なズレによる関節の動きの悪さ』と『手指を動かす筋肉の拘縮』の2つが考えられます。

まず関節の場合、ちょっとした手根骨のズレで連動がうまくいかなくなり引っかかりが起こっていることが考えられます。

特に転んだ拍子に手をついて痛めた経験がある方や骨折や捻挫の経験がある方は手根骨にズレが生じている可能性があります。

手首の屈曲での動きづらさがある場合は橈骨手根関節に問題があるかもしれませんし、手首伸展での動きづらさがある場合は手根中央関節に問題があるかもしれません。一番動きのある舟状骨と月状骨についてもスムーズに連動できているのかが重要になってきます。近位列と遠位列の屈曲伸展の動きも見ていけると良いでしょう。

ふいに手をついた時に損傷しやすい箇所は舟状骨。ここは可動が大きくストレスもかかりやすいため、周辺の動き(特に橈骨とのバランスや月状骨とのバランス)は重要です。

次に筋肉です。手首の動きづらさで影響する筋肉は手首をまたぐ筋肉がまず挙げられます。手首の屈曲制限では手首を伸ばす伸筋群、手首の伸展制限では手首を曲げる屈筋群です。

また、手根骨に直接付着している筋肉も手根骨の動きに影響を与えます。

【手根骨に付着している筋肉】

  • 尺側手根屈筋
  • 短母指外転筋
  • 短母指屈筋
  • 母指対立筋
  • 母指内転筋
  • 小指外転筋
  • 短小指屈筋
  • 小指対立筋

これらは物を掴むなど日常で酷使しがちな筋肉です。拘縮によって直接手根骨をズラすことはまずないですが、伸展のしづらさを感じやすくなります。日頃から掌を広げるストレッチなどしてあげると良いでしょう。

指や手首を使うことは日常でとても多く、筋肉疲労が溜まっている方はとても多いです。手首の動かしづらさに加えて腕の怠さや疲労感を感じている場合は筋肉の影響が大きいと考えられますので、毎日こまめにストレッチをして疲労を軽減していきましょう!

まとめ

手首の硬さは手首や指の伸筋群・屈筋群などの筋肉に着目されることが多いですが、手根骨の動きにも一緒に見ていくことが大切です。

また、基本は筋肉や関節の問題を考えますが、もし両手首や手首以外の関節も動かしづらい・こわばる感じがする(特に朝)などありましたらリウマチなど膠原病の初期症状である場合も考えられますので一度検査することをお勧めします。

その他にも加齢によっても水分が減り関節の滑走がスムーズにいかなくなる場合もあります。痛みがない程度で日常的に動かしていくことも筋肉が動き機能改善効果がありますよ!

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