外反母趾は女性というイメージがありますが、歩き方によっては男性でも起こる疾患です。
進行すると自力で治すのは難しくなってきますので、気になり出したら早め早めの対策をしましょう!
外反母趾の基準
外反母趾には軽度・中度・重度とレベルがあります。
軽度まででしたら自分で治すことが可能ですが、中度・重度になってしまうと難しいかもしれません。ですが、ある程度の改善や進行防止のためにケアは大切です。
外反母趾の起こるしくみ
外反母趾が起きていくしくみです。(※足部の詳しい基本構造については【足部の構造】をご覧ください)
①横アーチがつぶれる(外反母趾予備軍)→②母趾基節骨が内転する(軽度外反母趾)→③母趾中足骨が外反しながら外転する(中度〜重度外反母趾)
それぞれ詳しく解説します。
①横アーチがつぶれる(外反母趾予備軍)
ハイヒールを履いて足指の付け根に常にストレスがかかっていたり、歩くときに足指の付け根にストレスをかけながら歩いていると横アーチがつぶれます。
これは指の根元の横アーチを作っているのが筋肉であるためです。歩き方やストレスのかけかたで簡単にアーチが潰れてしまうのです。
普通なら歩くたびに筋肉が使われアーチを保てるようになっているのですが、足裏の筋肉をあまり使わずに歩いているとどんどん弱化しアーチを保てなくなります。
中足骨での横アーチがつぶれると開帳足と呼ばれる横に広がった足になってしまいます。
これが外反母趾予備軍。
足指の付け根にストレスが集中してかかるので、足指の付け根部分にタコや魚の目が出来たりします。
②母趾基節骨が内転する(軽度外反母趾)
開張足になると母指外転筋に緩みが出るのと同時に母指内転筋に張力が加わります。この筋肉バランスの崩れで母趾基節骨が内転してくるのです。
この状態が軽度の外反母趾。
先の細い靴を履いた時に中足趾節関節部分が接触し少し痛みがでてきます。
③母趾中足骨がねじれながら外転する(中度以降の外反母趾)
母趾基節骨が内転された状態で、歩き方を変えずに生活をしていると母趾の内転がさらに進むのと同時に中足骨が外転してきます。この時、ねじれが加わり中足骨下の2つの種子骨が内側にずれてきます。
これが中度〜重度の外反母趾。
母趾の外転が進むのは、下の図のように母趾の外側(力点)から力が加わりやすくなるから。中足趾節関節が視点となり外へ張り出してくるのです。
この変形が進めば進むほど元に戻すことが難しくなってしまうので早め早めの対処が大切です。
足部の構造
足部の構造と名称を確認しましょう!
外反母趾の治し方
横アーチがつぶれた開張足になると足指の屈曲、特に中足趾節関節の屈曲力が弱くなっています。
外反母趾または外反母趾予備軍である開張足のテストをしてみましょう。
足指を思い切り握ってみてください。
足の甲に凸面5つ出てこなければ開張足かもしれません。
今の時点で外反母趾でなくても予備軍なので同じようにトレーニングをお勧めします。
足指歩き(母趾内転筋・横アーチトレーニング)
足指の握る力だけで歩いてみましょう。交互に握りながら前に進みます。1メートルほど進めればOK。
ポイントは
- 足裏を浮かさないこと
- 指を握る力で前に進むこと
- 外側に開いていかないように!
もしなかなか出来なかったら足裏の筋肉がかなり衰えてます。次の練習を行なって筋肉を動かしていきましょう。
足指歩きが出来ない時は・・・
以下の体操で足指にしっかり筋肉の指令がいくようにトレーニングをしましょう!
【足指グーパー】
足指をグーパーするだけです。思い切り握って思い切り開く。初めはできなくても毎日動かしていく事が大切。
動かせるようになってきたら足指でタオルを持ち上げる練習をしてみましょう。
【足指まわし】
指1本1本それぞれ動かしていきます。左右に回したり揉んだりして脳からの指令が伝わるように心を込めて回します。
足指の筋肉がある足裏全体も一緒に揉んでいくと尚良しです!
足指グーパー体操(内転筋外転筋トレーニング)
母趾と小趾の内転筋と外転筋のバランス改善のトレーニングします。
足指を思い切りぐーぱーします。
ぱーの時は指が出来るだけ反らないように。そして広がるように。
もしなかなか広がらなかったら横アーチを作るように足裏を握りながら練習をしてみましょう。指が開きやすくなります。
中足骨調整マッサージ
❶中足骨は足の甲にあります。第1〜第五中足骨をそれぞれ動かしていきましょう。足の裏付け根のちょっと盛り上がったところ(中足趾節関節)も念入りに。
❷母趾を外側に誘導しながら中足趾節関節を内側に押します。
❸横アーチをつくるように足の甲を伸ばします。
歩き方改善
開帳足の人は地面からの刺激が直接伝わります。刺激を緩和するために中敷をクッション素材にする、インソール、サポーターの使用などで外反母趾の進行と食い止め、改善までのサポートをしましょう。
歩き方で意識する点は踵から着地をして足指までしっかり地面につき抜けていくこと。蹴り上げる時には親指が横に逃げていかないように意識をしましょう。
足指までつかって歩くことでアーチを形成する筋肉が使われます。
まとめ
外反母趾は初期であればあるほど改善効果があります。トレーニングやマッサージは速攻効果があるものではないですが、1ヶ月2ヶ月と続けていくうちに改善してきますので信じて続けましょう!
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