PCやスマホを常に使っていて手首が痛い、いつも腕が重だるい。そんな方が最近とっても増えています。
それは指や手首の筋肉を酷使しているから。放っておくと腱鞘炎や腱炎(※1)になりかねません!実際にスマホが原因の腱鞘炎や腱炎は増えているんですよ。
そうなる前に!ストレッチで酷使した筋肉の疲れをとってあげましょう。
(※1ここで言う腱炎とは上腕骨外側上顆炎・上腕骨内側上顆炎のことです。)
手指のかんたん解剖学
ストレッチをする前にかんたんに手指の構造を見てみましょう!
【筋肉編】
指を握るように曲げたり、同じ方向に手首を曲げたりするのは屈曲と言います。
これら屈曲の動きをさせる筋肉をまとめて屈筋群と言います。
逆に指や手首を反らせるようにする動作を伸展と言います。
これら伸展をさせる筋肉をまとめて伸筋群といいます。
手のひらを前にして腕をおろしてみましょう。(※2これが基本のポーズです)

屈筋群はすべて小指側の肘周辺へ付着しています。
物を握ったり手首を曲げる時に使う筋肉です。

伸筋群はすべて親指側の肘周辺へ付着しています。
指や手首を反らせる時に使う筋肉です。

これが指や手首の使いすぎで疲労する筋肉です。
手指を使いすぎると腕が疲れてくるのはこの為なのです。
【腱鞘編】
腱鞘炎とはよく聞きますが、実際どんな組織のことを言うのか見てみましょう。
筋肉が骨に付着する時の少し硬さのある組織が腱と言います。どんな筋肉にも腱はあります。
手や足の指は繊細な動きをするため細かい筋肉がたくさんあり、腱は他の筋肉の腱と比べて細く長いです。
複雑な動きをする上に長いので円滑に動くために腱をまとめる筒が沢山あります。
それが腱鞘です。

酷使するとここの筒内で過剰な摩擦が起き炎症してしまいます。
これが腱鞘炎なんですね。
【シーン別】疲労する筋肉
それでは日常でよくある「手腕が痛くなる動作」ごとに酷使され疲労してしまう筋肉を見ていきましょう。
【PC作業(タイピング編)】
キーボードのタイピングでは指も確かに酷使しますが、疲労していくのは主に手の伸筋群です。
キーボードに手を置いた時に手首は返した状態となり、そこからタイピングするたびに更に上にあげなければならないからです。
【PC作業(マウスクリック編)】
マウスクリックでは手首を返した状態なのは同じですが、マウスを押さえこむ下への力が強く入ります。
さらに特定の指だけで連続クリックするのでその指の屈筋だけ酷使率が高まります。
伸筋群より屈筋群の疲労が主になってきます。
【スマホ生活】
スマホは常に手に持ち操作をするので手首の屈筋群が疲労します。
そして片手で持って親指でポチポチすることで親指だけが酷使されます。
これにより、親指側の腱鞘炎が多く発症します。
また、手の小さな女子などはスマホが落ちないようバランスをとるために小指で支えたりしますよね。これも小指の筋肉疲労の原因になります。
疲労をとるストレッチ
日常的に手を使う方は手指の筋肉がとても疲れています。重だるくなる前に、こまめにストレッチをいれていきましょう。
【指ストレッチ】
常に指を丸めて作業をしている方にはこのストレッチ。
まずは両手を一気に開くストレッチ。
指同士を合わせて気持ちよく開きます!

次に4本の指をぐーーんと伸ばすストレッチ。

親指も伸ばしてあげましょう。

ずっと曲げてばかりいる指を伸ばすだけでかなりスッキリとして気持ちいいのでこまめにケアしてあげましょう!
【屈筋群ストレッチ】
基本のポーズ(※2)で前面や小指側の筋肉が疲れている時にはこのストレッチを。
前面を上にして手首を伸展させます。
ゆっくりじわじわと手指を引き前面を伸ばします。

デスクに両手をついて伸ばしてもOK!
【伸筋群ストレッチ】
基本のポーズ(※2)で後面や親指側の筋肉が疲れている時にはこのストレッチを。
後面を上にして手首を屈曲させます。
ゆっくりじわじわと手指を引き後面を伸ばします。

デスクに両手(手の甲が下)をついて伸ばしてもOK!
ここに気をつけて!
筋肉をメインとして紹介しましたが、手首には血管や神経もたくさんあります。
※痺れなどが出てきた場合は動かさずに専門機関で診てもらいましょう。
※また、疲労感ではない強い痛みがある場合には炎症が起きている可能性が高いですのでストレッチはせず安静に過ごしましょう。
痛みが強い場合にはテーピングやサポーターなどが有効です。
コメント